こんにちは。
私は仕事柄、記事を発注する側であったり受注する側であったりしますが、ウェブサイトオーナーやディレクターの方は発注のみしかしたことがない方も多いと思います。
全員が、とは言いませんが発注側しかしたことがない人は発注の仕方があまり上手くない印象です。
そもそも仕事を求める人の割合が多い現在のライティング周りの案件では、買い手市場(発注する側が有利な市場)となっているため、発注者は工夫しなくても発注出来るので、あまり勉強する機会がありません。
しかし上手く仕事を回すためには発注の仕方が非常に重要で、たとえ買い手市場であっても下手な発注者の周りには良い人材は集まってきません。
特に記事リライト、記事修正の発注方法にはマニュアルが一切なく、またサンプルも少ないので、上手な発注の仕方を行っている企業(及び個人)をほとんど見たことがありません。
結果的に記事リライトは外注に依頼せず、内製していることが多いと思います。
本ページでは情報があまり出ていない「記事リライト、修正の発注方法」について解説します。
記事リライト、記事修正は丸投げするとほぼ100%失敗する
記事リライトを発注する際、多くの発注者は、受注者に対してあまり指示を出さずほぼ丸投げで発注します。
「上位表示出来るようにリライトして欲しい」
「全体的に良い記事に仕上げて欲しい」
「売上が伸びるようにリライトして欲しい」
こういった発注方法ではほぼ100%失敗します。
ゴールの見えない案件は受注者にとって地獄でしかない
丸投げの記事リライト案件は受注者にとってゴールが非常に見えづらい案件です。
記事発注の場合通常少なくとも文字数というゴールがあります。
記事の発注では一般的に、
- 記事のテーマ(記事タイトルなど)
- 文字数
- 画像の有無など
が定められているので、データ入力などの仕事と比べれば明確とは言えないですが、それでもおおよそゴールが設定されています。
しかし、ふわっとした記事リライトの場合、どこまで何をすれば良いのか全然わかりません。
「上位表示できるようにリライトして欲しい」
という発注ではゴールは上位表示ですが、検索結果というのはリライトしてすぐに結果が出るわけではなく、数ヶ月以上掛かるケースがほとんどです。
また、上級者がリライトしたからといって必ず上位表示出来るわけではないため、行った施策が結果として見えづらいです。
加えて多くのライター、リライターはSEOを深く理解しているわけではないので、「上位表示出来るように」と指示を出されてもどうすれば良いのかわからないことが大半です。
ざっくりした依頼をすると報酬に合わせた仕事となる
「全体的に良い記事に仕上げて欲しい」
「読みやすいようにして欲しい」
これに関しては受注者側にとっては本当にどうすれば良いのかわからない案件です。
文字数、画像の有無の指定なしで「良い感じの記事を書いてほしい」「読みやすく書いてほしい」と指示されているのと全く同じ。
このようなざっくりした指示の場合、受注者は報酬単価を仕事の目安にします。
例えば報酬単価が1万円の場合は1万円なりの仕事をし、5,000円なら5,000円、3,000円なら3,000円に見合った仕事をします。
もちろん「報酬単価なりの仕事」というのは受注者の主観でしかなく、発注者が求める品質であるかどうかはわかりません。
むしろ何も指示を出されていないわけですから、受注者は出来る限り「良くしたように見える施策」を行います。
これでは発注者にとって良い結果に繋がることはありません。
リライトを発注する際は出来る限り受注者のゴールを設定する
ではどのような発注をすれば良いのか?
結論から言うと、依頼内容を明確にして受注者のゴールを設定して発注すると成功しやすいです。
「良い感じに仕上げて欲しい」
ではなく、どこをどうして欲しいのか。
「上位表示出来るようにリライトしてほしい」
ではなく、上位表示が見込める施策を具体的に説明してそれを反映してもらうというイメージです。
リライトして欲しい箇所を具体的に伝える
上述した通り、ざっくりとした発注の仕方で発注しても、受注者はどこをどうすればわかりませんし、雰囲気で金額に見合った仕事をするしかなくなります。
修正して欲しい箇所や、追記して欲しい箇所、項目など、具体的に指示を出すことで、受注者はそれに合わせたリライトを行うことが出来ます。
私自身、リライトを発注する際は依頼する内容をある程度伝えて発注するようにします。
「新しい商材(サービス、商品)をココに追加して欲しい」
「新しく見出し(内容も)を追加して、それに対する説明を入れて欲しい」
「ここの文章を要約した図を入れてほしい」
など。
1記事1記事チャットや通話、または対面でリライトして欲しい箇所を伝えるようにしています。
文書のみで伝える際はWordやGoogleドキュメントのコメント機能などを使うと便利です。
監修者を入れる
「修正箇所を具体的に伝える」という過程はリライトを発注する上で欠かせません。これを欠くと必ずと言って良いほど失敗します。
しかし、
「どう修正して良いか発注者自身がわからない」
「修正箇所を伝える時間がない」
という理由で、発注者自身がリライターに修正箇所を伝えるのが難しいケースがあります。後者は頑張ればなんとかなると思いますが。
その場合はリライターに修正箇所を伝える「監修者」を入れることをおすすめします。
ただし監修者を入れる場合はどのようにリライトしたいかで誰を監修者にするか変わってきます。
「記事の内容が薄いので専門性を上げたい」
という場合はその分野に精通する専門家などに監修してもらうことが重要です。
「読みやすくしたい」
「上位表示を目指したい」
という場合は、読みやすい記事が書けるライターや、SEOを理解しているSEOコンサル、ウェブディレクターなどに監修を依頼しましょう。
「専門性」と「上位表示に必要な要素」どちらも必要で、全部外注したい場合は、
- その分野の専門家に監修してもらう
- SEOがわかる人に監修してもらう
- 指示書を作成してリライトを依頼
という3つの工程が必要になってきます。
なのでリライト一つで結構費用はかかってきます・・・
自社の工数を減らすと良い記事は上がってこない(おまけです)
これはリライトに限ったことではありませんが、外注に依頼する際は自社の工数を減らそうとすると失敗しやすいです。
たとえ報酬が小さくても、こちらで細かく指示書を作成し、フィードバックをした方が受注するランサーのスキルも上がりますし、長期的な関係になりやすいです。
逆に高めに報酬を設定して丸投げしようとすると上手く行きません・・・
「丸投げ×低報酬」
の組み合わせは最悪で、これで上手くいくケースは受注者が黙って負担している場合に限ります。もちろん長くは続きません。
まとめると、
- 工数多い×高報酬→ベスト
- 工数多い×低報酬→上手くいきやすい
- 丸投げ×高報酬→失敗しやすい
- 丸投げ×低報酬→ほぼ確実に失敗する
というイメージです。あくまで個人の感想です。
発注する際は自社の工数を削らないことを意識しましょう。
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