こんにちは。
隙間時間を見つけて更新しております。
代表の吉本です。
本日はSEO対策の問い合わせで多い、バックリンク施策についてお話します。
実は、令和の時代になってバックリンク施策の話をする日が来るとは思っていませんでした。
というのも、バックリンク施策は2012年頃から「通用しなくなってきた」と言われはじめ、その頃に業界に参入した私自身、SEOにおいてバックリンク対策を行う機会はこれまでにほぼなかったためです。
そして2021年現在、自分の周りの現役SEOプレイヤーの間でも、バックリンク施策の話題が上がることはまずありません。
現役のメディア運営者はバックリンク施策を行っていない
ウェブメディア運営者である私の周りは、いわゆるSEO業者はほとんどおらず、自社でメディアを運営している人が多いです。
自社でメディア運営をしている会社は、自社メディアからの収益がすなわち自社の売上になるため、検索で上位表示するために日々切磋琢磨しています。
弊社も自社でメディアを運営しており、やはり上位表示がそのまま売上、実績につながるため、結果を出すことを第一にSEO対策を行っています。
結果を出すことを第一に考えているSEOプレイヤーの大半は、古典的なバックリンク施策を行っておりません。
今のGoogleはバックリンク施策が通用しないという現実
少なくとも2021年、現在のGoogleは古典的なバックリンク施策は一切といって良いほど通用しません。
というのもSEOにおいて、バックリンク施策が通用し始めなくなったのは2012年頃。
ペンギンアップデートと呼ばれるGoogleの大規模アップデート以降、わかりやすい被リンクによるSEO対策への対策が行われるようになったからです。
Googleウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)の違反行為となるSEOスパムやリンク構築を行ってるWebサイトにペナルティを課し、そのWebサイトの検索順位を下落させたり、検索結果からサイト削除(インデックス削除)といった制裁を行うためのGoogleの検索アルゴリズムアップデートことです。
ペンギンアップデートとは?基礎知識から対策方法まで解説!|SEOラボ
ちなみにこのアップデートが始まる前は、私の周りのメディア運営者もバックリンク対策を積極的に行っており、数千単位でバックリンクサイトを保有していた会社もあります。※現在はドメインの維持費が掛かるのでその大半を手放しています。
Googleのアップデートは単発のものではなく、2012年から今日まで、年に数回に渡って行われています。
2021年現在、Googleはそのサイトが「誰が」「なんの目的で」「どういった形で」運用されているのか、高いレベルで判定ができるようになっているため、無造作に作成されたバックリンクサイトは全く価値がありません。
ちなみにSEO会社にお金を払ってバックリンクを打つ施策はペイドリンクと呼ばれ、Googleのガイドライン違反となります。
一部の SEO やウェブサイトの所有者は、リンクの品質、ソース、自分のサイトに与える長期的な影響を無視して、PageRank を転送するリンクの売買を行っています。PageRank を転送するリンクの売買は、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に対する違反となり、検索結果におけるサイトのランキングに悪影響を与える可能性があります。
有料リンク|Google検索セントラル
以前は「違反」として手動ペナルティとなってしまうケースが多々見られましたが、近年はアルゴリズムの向上によって高いレベルでリンクの質が判別できるため、手動でのペナルティはほとんど見られなくなりました。
つまりGoogleは「わざわざペナルティなんかしなくても大丈夫なレベルに自動でリンクの質を判別できるようになった」ということです。
それでも被リンクは重要です
ただ、2021年現在においても、被リンクの効果は重要なことに変わりはありません。
むしろコンテンツSEO全盛期だった2013年~2018年頃に比べて、被リンク対策はより重要なものになってきました。
というのも、コンテンツSEO全盛期の時代(ページの内容が重要視されていた時代)では、例えば副業でお小遣いがほしい大学生が作成したウェブサイトが、医療や健康に関するキーワードで上位表示し、トラブルに繋がるようになってしまったためです。
当時は「がん 治療」などのキーワードでお小遣いがほしい主婦ライターが書いた記事なども上位表示していました。
これが問題視され、2017年12月に実施されたGoogleの大規模アップデート(俗称:健康アップデート)以降、
「誰が運営しているサイトか」
がとても重要視されるようになりました。
いつからか、ネットに書いてあること=正しいという時代になってしまったため、Googleとしても間違っているかもしれない情報を上位表示させるわけにはいかないのです。
このアップデートは今日まで日々強化され、Googleは「そのサイトは信頼できる人(組織)が運営しているサイトであるか」を高いレベルで見極めることができるようになっています。
例えば「がん」に関する情報ならがん研究センター、医師会、財団法人などが上位表示し、ついで大学病院や民間の病院などが上位表示します。
「SEO対策」であれば、本家であるGoogleや長年SEOに関する情報を発信し続けているウェブメディアなどが上位表示する傾向にあります。
詳しくは割愛しますが、Googleは運営者(ドメイン)のタイプを以下3種類にわけているという論文もあります。
- 官公庁、公的機関
- 権威のある民間企業
- その他
最も信頼性の高いのは政府、官公庁などのドメインで、ついで国内であれば上場企業などが信頼性が高いであろうと判断しています。
税務関連のキーワードであれば、
- 国税庁、税務署などのサイト
- 大手会計事務所、会計ソフト会社などのサイト
- その他のサイト(中小企業及び個人ブロガーなど)
というイメージです。
弊社を含め、小さい企業は残念ながら「あまり信用できない」とランク付けされているでしょう。
SEO会社はクリティカルな被リンク対策の実現が不可能に
では、
「このサイトは信頼できる人(団体)が運営しているかどうか」
をGoogleはどうやって判断しているか?
基本的には被リンクによって判断しています。
例えば医師会であればおそらく無数の医療機関から被リンクを得ていますし、国税庁のホームページは全国各地の税務署など公的機関からリンクを得ています。
また、上場企業であれば多数の公的機関からのリンクが集まるため、信頼性の高い運営者であると判断されやすいです。
その下の中小企業でも、公的機関や信頼性の高い企業からリンクを獲得すれば、上位表示に繋がりやすいというデータもあります。
つまり上位表示するためには、
「公的機関や信頼性のある企業から多数の被リンクを得る必要がある」
ということです。
弊社は自社メディア、クライアントメディアを多数同士に運営していますが、上位表示しやすいサイトはやはり良質な被リンクを自然に獲得しやすいメディアとなっています。それ以外は業績は芳しくありません(笑)
「公的機関や信頼性のある企業から多数の被リンクを得る」
というのは当たり前ですが、SEO対策の会社では実現することは不可能です。
そのため弊社を含めて、現役で上位表示を実現しているメディア運営者は、
- ページの質をできる限り上げる
- 自然にリンクを獲得する施策を行う
- 他社サイトで紹介されるよう促す
- 信頼性のあるドメインで運営する
などを行っています。
それでも未だにSEO会社がバックリンク施策を行う理由
私はおそらく現存するSEO会社で働く大半の人が、
「バックリンク施策は意味がない」
ということを知っていると思っています。
体感的にほぼ通用しなくなって5年位は経ちますので、流石に気づかない方がおかしいです。
しかし、
「バックリンク施策はやめられない」
のです。
なぜなら、バックリンク施策は、
- 施策としてわかりやすい(説得力がある)
- やっている感じがある
- 月額費用が発生しても仕方ない(ように見える)
- 剥がすと落ちる(ような気がするため)クライアントが辞めづらい
- すぐにできる(30分くらいあればできる)
という業者側のメリットが多いためです。
最近は月5,000円とか1万円くらいの格安でバックリンク施策を行うSEO会社もありますが、作業時間が数十分(場合によっては数分)で済むので割の良い仕事なのです。
逆に弊社の場合、
- 地道にコンテンツを作成する(費用がかさむ)
- 有効なリンクを獲得する手段を提案する
(事業者が動かないと獲得できないケースがほとんど) - 上位表示しやすいサイト構成、構造にする(費用と時間が掛かる)
という施策を行うため、ある程度お金と時間に余裕が無いと実施できません。
そのためクライアントの数は決して多くありませんが、今のところ効果が出なかったサイトは一つもありません。
最後に
結果重視で長年メディア運営をしてきた私にとって、バックリンク施策は過去の施策だと思っていました(2013年にはすでに)。
バックリンク施策を全面的に否定しているウェブライダーの「沈黙のウェブマーケティング」の書籍が出版されたのは2015年、ウェブ版は2013年頃のものだったと思います。
しかし未だにバックリンク施策を行っているSEO会社が多数ある、むしろそれが主流であるというのは驚きですね。
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