フリーター、非正規雇用でも社会保険は加入すべきだと言う意見は多いです。
が、私はこの「社会保険に加入すべき」というのは必ずしも正しいとは思っていません。
むしろ社会保険、つまり健康保険や厚生年金は自身で支払う国保や国民年金に劣るとさえ思っています。
何故そう思うのか?
それは一般的に社会保険が有利だと言われる前提が間違っているからです。
特に若手の人手不足が進む現代では、20代以下であればフリーターでも就職しやすい状況になっています。
一昔前はフリーターが定職に就くためには仕事を選ぶことがあまり出来ませんでしたが、近年は出来る限りホワイトな職場に絞って就活することが可能です。
フリーター向けの就職サービスを活用することで、
- 離職率など企業の情報を事前に入手する
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ということが出来るので、より良い会社への就職が期待出来ます。
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社会保険の労使折半とは?
社会保険の保険料は勤め先の企業が半分支払ってくれるようになっています(労使折半と呼ばれます)。
会社が半分負担してくれるから自分が支払う負担が軽くなってお得!
というのがフリーターでも社会保険に加入すべしという人達の意見ですが、これは間違いです。
何が間違いなのかというと、会社は無償で保険料を支払ってくれているわけではない、ということです。
企業側は出来るだけ社会保険に加入させたくない
至るところで言われていることですが、社会保険はバイトやパート等の非正規雇用者でもある一定の条件を満たせば加入することが出来ます。正確には企業側に加入させなければならない義務が生じます。
健康保険は1週間の労働時間と1ヶ月の労働時間がそれぞれ正社員の4分の3以上
厚生年金は以下のどちらか
(1)1か月間の所定の労働日数が同じ期間の一般社員のおおむね4分の3以上である場合
(2)1日または1週の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上である場合
参考サイト:令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構
条件を満たしていれば社会保険に加入させなければならない義務が生じるわけですから、バイトでもパートでも社会保険に加入することが出来るわけです。
なので条件を満たしていれば相談することで加入させて貰えることもあります。
が、加入させてくれないということが多いです。そもそもフリーターの大半が社会保険に加入していないのはそれが原因です。
社会保険は労使折半なのでバイトに社会保険を付けると人件費が上がってしまうので企業側は出来るだけ加入させたくないんです。
人件費として考えられているということは?
企業側から見て、社会保険料の会社負担分は人件費以外の何物でもありません。
そして企業はタダで給料を上げたり余計な分を支払ったりしませんから社会保険に加入している人は単純にその分の労力を企業に提供しているという考え方が正しいです。
サービス残業を強制させるような少々ブラック気味の会社では社会保険に加入している正社員やバイトのリーダーにサービス残業をさせて普通のバイトには残業をさせないことが多いです。
これは企業側にとって、社会保険に加入している従業員はそうでないバイトよりも「高い給料(人件費)を払っているからその分働いてもらう」という考えがあるからです。
実は弊社もアルバイトを雇っていますが、やはり社会保険への加入義務がある労働時間以内に抑えるうようにしています。
社会保険への加入義務が生じるほどの勤務時間になる場合は、正社員並みとは言いませんが、それなりに責任の掛かる仕事を任せたい時だと思っています。
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厚生年金の真実
ここまで社会保険は会社が負担しているといえど、タダで加入させてくれているわけではなくその分労力を求めている。
つまり別にお得なわけではないということを説明してきました。
しかし折半分を私達の労力で賄っているという考え方をすると社会保険は得じゃないどころか害悪とも言えます。
厚生年金に加入すると損をするケースがある
厚生年金も労使折半ですから誰も文句は言いませんが、労力の提供で間接的に全額労働者が支払っているという見方をすれば支払うだけ損をしていることが分かります。
現在年収400万円の人が40年間厚生年金に加入し続けて貰えるのが年額約87万円、同時に加入することとなる国民年金を合わせると167万円程度となるようです。。あくまで概算です。
参考サイト:小野本社労士事務所ホームページ
同上の保険料は労使折半で月額約2.2万円、40年間で1056万円です。会社折半分を含めると2112万円もの保険料を支払っていることになります。
一方個人事業主や厚生年金に加入していないフリーターが掛ける国民年金の場合、40年間満額支払って老後の支給額は年額80万円です。
※国保の場合保険料と受給額は固定されています
国保の掛け金は年々上がっていますが現在(2022年現在)月額16,590円となっています。
※国民年金機構より
支払う総額は40年間で約768万円です。
- 厚生年金は40年間で2112万円(全額時)支払って老後の支給額は年間167万円
- 国民年金は40年間で768万円支払って年間80万円
厚生年金は国民年金の3倍近く支払っていますが受給される老齢年金はそれに見合った金額には及びません。
厚生年金は国民年金に比べて返戻率が悪いのです。
※コメントにて指摘頂いたので一部修正しています。
加入義務があるから仕方なく入る、が正解
巷では会社が半分負担してくれるから国民年金より厚生年金が有利だと言われていますが、実際はそんなことありません。
会社負担の折半分は天からのお恵みではなく会社が人件費として支払っているものです。その人件費は私達が労働という対価を払って得ているもので、会社からのプレゼントされているわけではありません。
これまで説明してきた通り、特に厚生年金に関しては国民年金よりも実質は不利な制度となっています。
更に年金に関しては今後どんどん改悪していくものと思われますが、国民年金が分かりやすい体制となっている以上、表面的に(返戻率が)分かりにくい厚生年金の方が優先的に改悪されていくでしょう。
それでも正社員として就職すると加入義務があるので加入せざるを得ませんが…
加入義務がない、入らなくても良い状況にあるなら別に無理して加入しようとする必要はありません。
同じ条件下(同時給、同労力)で社会保険を付けてくれるなら得するとは思いますが…
一般的にそれが許されるケースは少ないでしょう。
保険などの相談をしてみたい方は下記サイトも合わせてご参考ください。
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