いつの間にか4月に入ってテレビで入学式の様子が報道されていますね。
去年卒業式で話題になった近畿大学は今年もなんかすごい感じです。
というかこの学校って何年か前からこんな感じなんですね。
学生が入学式でこれから花を咲かせようと期待を膨らませている中、同時期に会社に入社した新卒生の多くは大学という天国から一気に地獄に叩き落された気分になっている人も少なくないのではないでしょうか。
特にキツイバイト経験がない人や学生時代に遊び呆けてブラック企業っぽい会社に入社してしまった人はもうすでに、
「辞めたい・・・」
と思っている人も少なくないと思います。
でもそう思うのって普通、というか当たり前なんですよ。
仕事と勉強で使う脳は全然違うという現実
私は高卒で今年32歳になるのでかれこれ14年間くらい社会で働いていることになります。フリーター時代も長かったですが。
そこで自身の経験や様々な人と出会うことによって常々思うことは学校の勉強で使う脳と仕事で使う脳は全然違うということです。
私は現在、訳あって早大や慶応大等の偏差値の高い大学を卒業した人達と出会う機会が多いのです。
彼らは紛れもなく学校の勉強は得意ですが仕事ができるわけではありません。どちらかというと出来ない部類の人達です。
会社では問題を作る能力を要する
もちろん職種や業種によって必要な能力は様々ですが、会社の仕事の多くは問題を解くことよりも問題を作る能力を要します。
アルバイトであれば与えられた仕事をこなすだけでOKですが、正社員として働く場合は、
「何が問題なのか?」
「何が求められているのか?」
「何が悪いのか?」
問題を作ること、見つけることから始まります。
これは通常学校の勉強では一切やらないことです。
学校の試験は難関大学でも「与えられた問題を解く」という形式になっています。
優秀な学生は与えられた問題を正しい回答を見つけて解くことは得意ですが、簡単な問題を見つけたり、作ったりすることが得意ではありません。
また、学校の試験でルールに則って問題を解く力を要しますが、社会では法律や社内ルールの範囲内であればどのように問題を解いても構いません。
そういったこれまで培ってこなかった能力を要するのが会社の仕事であり、またそれを教えてくれる人、気付かせてくれる人もいないのが社会です。
会社は社内での立ち回りが重要です
学生時代は頑張らなくてもOKです。
勉強出来なくても、運動が出来なくても、友達が少なくても最低限のことをやっていれば学校は卒業出来ます。
しかし一度社会に出ると出来ない人はどんなに頑張っても本当に報われないし、出来る人も間違った環境で働くと一切報われません。
会社員として優秀な人はほぼ例外なく社内で上手く立ち回れる人です。
学校では校内の人間関係が学校の成績に直接響くことはありませんが、会社は直接評価に影響します。
あまり表に出てくる単語ではありませんが、会社員として上手く立ち回れるかどうかは「社内営業」ができるかどうかに掛かっています。
しかしいきなり会社に放り出された学生達はこの「社内営業」が分かりません。
人によっては会社に入社してからこの言葉に出会うことなく辞めてしまうことも多いです。
社内営業が出来ないと仕事はやりにくくなる
社内営業とは社内の人間を自分にとって有益になるように上手く扱えるようにするための手段です。
ジョブ型の仕事の仕方である欧米やアジア諸国では自分の仕事以外の仕事を断ることが当たり前ですが、日本型の企業ではそうはいきません。
たとえ自分の仕事とは関係なくても先輩や上司に頼まれたらアメリカ人のように「none of my business(それは私の仕事じゃない)」なんてこと言えません。
そのため先輩や上司からの仕事を何も考えずに受けていると自分だけ忙しくなり無駄に残業する毎日となってしまいます。
だから社内営業が必要です。
「断っても大丈夫になるように」
「逆に自分から仕事を頼めるように」
「分からないことは教えて貰えるように」
「出来ないことはやってもらえるように」
社内営業をする必要があります。
だけど多くの若手社員はこれが出来ません。
学生時代はみんな同年代(同い年)で立場も同じなのでその中で上手く立ち回ることは難しくありませんが、会社では働いている年齢や立場、価値観は人それぞれ全く違います。
その中で上手く立ち回るためにはよほど人に好かれやすいタイプでない限り最低でも1~2年は掛かります。だから始めの1~2年は特にしんどい。
長く続けられている人はこんな人
それでも会社を5年、10年、20年続けられている人は確かにたくさんいます。
そういう人達はおおよそ以下の2つのタイプに分かれます。
仕事がバリバリこなせる仕事好きな人
仕事ができる人は上司や先輩、取引先等から評価されるので充実した会社員生活を送ることができます。
単に仕事ができるだけでは上司や先輩に嫌われてしまうケースが多いですが、加えて周りを立てることができる人であれば会社で働くことが苦痛だと感じもしないでしょう。
そういう人は周りから評価され続け、勝手に出世します。
出世して給料が上がればやりがいも増しますし、何より仕事の成功が楽しいです。
そうなればむしろ辞める理由なんてありませんよね。
適度に仕事をサボれる人
おそらく仕事を長く続けている人の大多数がこちらのタイプです。
私が会社員時代で出会った取引先の古株の人はだいたいがこちらのタイプです。
毎日集中して我慢しながら仕事をしようとするといつかは我慢の限界が来ます。
適度に仕事がサボれる人は、その我慢をして頑張るところを極力減らし、1日の大半の時間を適当に過ごします。
取引先への営業も真面目な話はほとんどせず、8~9割は雑談。
営業職は業績が悪いと上司に詰められますが、詰められる時間なんてトータルで見れば微々たるものです、
仕事の大半は適当に遊んで、重要なところだけ頑張る。
そういう働き方をしている人が実は大半です。
しかしこれには、力を入れるところと抜くところを知っておく必要があり、ある程度仕事に慣れている必要があります。
それを早く理解することができる人が長続きしているように思いますね。
仕事が辞めたくなったら・・・
だから入社して1年以内、早ければ数ヵ月、数日で辞めたくなるというのは別に変わったことではありません。
昔は新入社員を歓迎ムードで迎える会社は多かったと思いますが、バブル崩壊以降、生き残っている会社でも社内が殺伐としていて新人に八つ当たりするような人も少なくないですから。
なので入ってすぐに「辞めたい」と思う気持ちもわかります。
分かりますがさすがに数日で辞めてしまうと後先絶対に困るので最低1ヵ月は頑張ってみてください。
ここで「困る」というのは再就職で不利というよりも1ヵ月持たない人はきっとどこで働いても持たないのでその方が心配です。
1ヵ月働くことが出来れば次は2ヵ月、3ヵ月と徐々に伸ばせば良いです。
それでどうしても「後1ヵ月なんて絶対無理!」というのであれば退職を考えれば良いです。3ヵ月くらい我慢出来れば再就職の可能性はなくはないです。
ただし無理はしないようにしましょう。
すぐに辞めて再就職出来なくなることよりも、仕事を無理に続けて身体を壊してしまう方がずっと困ります。
「最低1ヵ月は・・・」
としているのはどんなに精神的にキツイ仕事でも、肉体的にキツイ仕事でも1ヵ月我慢するだけならそうそう身体を壊すことはないからです。3ヵ月あれば鬱病とかになる可能性は十分あると考えます。
なのでまずは1ヵ月、まだいけそうだと思ったら更に1ヵ月、3ヵ月働くことが出来たら半年、半年働くことが出来たら1年くらいは耐えることが出来ると思います。
1年経ってそれでも辞めたいと思うなら辞めてもいいし、後1年行けそうと思うなら後1年働く。2年働くことが出来ればずっと働くことは難しいことではないと思います。
という感じでみんな仕事続けているんですよ。
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