社会人、20代半ばから大学や専門学校に通うのはありかなしか

私も一時期考えたことがありましたが学校卒業を卒業していったん就職した後、再びに大学や専門学校等に通うってどうなんでしょうか。

最終的に私は大学も専門学校も行かなかったので知人からの情報でしかないんですが、案外社会人だった人が大学や専門学校に入学することもあるらしいです。

ちなみに社会人の大学入学者数は少し古いですが中央教育審議会大学分科会の資料によると下記の通り。

大学における社会人の受入れの推進について(参考資料)

諸外国は25歳以上の入学者の割合が平均約2割に達し,社会人学生も相当数含まれる一方,日本の社会人学生比率は2.0%であり,大きな差があると推定される。

世界的に見れば大学の入学者のうち約20%は社会人となっているようですが、日本ではわずか2%程度となっており、日本では20代後半が大学に入学するのはあんまり一般的ではないようですね。

それに比べて専門学校の社会人入学者数(通信教育を含む)は全体の5%前後で大学よりも少々高め。100人新入生がいたら5人くらいは社会人上がりという計算です。※文部科学省資料より

結構少ないですね。感覚的にまあクラスに一人いるかなってところですかね。

目次

大学、専門学校に行く必要はある?

「行く意味あるの?」

これは社会人とか在学中とかあんまり関係ない話になるんですが、学生に比べてお金のことや時間のことにシビアになってる社会人にとってはかなり大事なところですよね。

あれだけお金払うんですから費用対効果とかメリット、デメリットとか気になると思います。いや気にならないとちょっとおかしいです。

 大学に行くメリットはやはり年収か

客観的に数字だけ見ると、高卒より大卒の方が生涯年収は高いというデータがあります。

平均生涯年収は大卒男性は1億8626万円、高卒男性は1億4964万円とおおよそ4000万の差があるという調査データもあります。

何故なら全体的に大卒者の方が賃金が高い上に日本ではまだまだ大卒の資格がないと役員になれないという会社も多数存在するからです。

そのため年収を上げたくて大学に行くという手は一見有効な手の一つのように感じます。

が、正直私は一般企業に勤めるならよほどレベルの高い大学(東大、京大等)を卒業しない限りほとんど変わらないんじゃないかと思っています。

というのもまず第一に三流大学だと一流企業に就職することが難しいですし、キャリアを積んで高収入を得るのがとてもむずかしいからです。

年収を押し上げているのは一流大卒者である

大卒の平均年収を押し上げているのは上場企業の役員や管理職クラスの会社員です。上場企業の役員は高卒者がなることはほぼありませんから、ここのボリュームが大きい以上、大卒者の平均年収は高卒者よりもずっと大きいのです。

しかし大卒であれば上場企業の役員になれるというわけではなく、偏差値の高い上位層の大学を卒業した人が役員となっている割合が非常に高いです。

トヨタの役員をランダムに取り上げてみると、

  • 常勤監査役|安田 政秀(最終学歴:ハーバード大学)
  • 取締役|寺師 茂樹(最終学歴: 神戸大学大学院修士課程)
  • 執行役員|近 健太(最終学歴:東北大学)
  • 執行役員|前田 昌彦(最終学歴:東北大学)

というようイメージ。

これはトヨタに限らず国内の東証一部上場企業であればほぼ似たようなことになっています。

上場企業の場合、役員は社内の一存で決めることができないため、客観的にみて優秀な人が選ばれる構造になっています。

役員に限らず、社員を昇進するかどうかは、上司や役員の納得が必要なので、客観的な判断材料として、学歴は重要になってくるのです。

良い会社に入社してもずっと続くかわからない

もう一点注意したいのは、大学を卒業して良い会社に入っても必ずしも安泰とは限らないということです。

今の時代たとえ一流と呼ばれる企業に就職できたとしても30年間良好な経営状態が続く可能性はほとんどありません。

大手家電メーカーシャープはかつて世界で初めて携帯電話にカメラを搭載し、世界で一番の液晶テレビを作り、名実とともに日本トップクラスの企業でした。

しかしあれから10年経たずして現在自己資本額がついに赤字に転落し、まさにいつ潰れてもおかしくない企業の一つとなりました。

今どんなに注目を集める企業であっても10年後に残っている保障なんてどこにもありません。

そして就職した会社が倒産して退職に追い込まれた場合、再就職はその辺の新卒高校生よりも厳しくなるわけです。

専門学校に行くメリット

大学も専門学校も私は変わらないと思っていますが、こちらも結局払う学費に対して見返りが薄いと行くメリットはないと思っています。

ただ大学と比較して専門学校は何かしら専門スキルを身につける場所なのでそのスキルがどうしても欲しい場合、必要な場合は通うと良いです。

例えば美容師や看護師等、専門教育を受けてその仕事に従事するために資格を取得しなければならない仕事を志す場合は専門学校に行くべきです。美容師の場合、働きながら通信教育という方法もあります。

しかし逆に別に専門学校を通わなくても習得出来る資格やスキルを大金払ってまで取得しにいく必要はないです。

たとえばIT系関係は基本的に独学で出来ますし現場でも専門学校等に行っていない人もたくさんいます。親がお金出してくれたり、まだお金のことがよくわかってない学生なら勢いで入学出来ますが、現実を知る社会人にとっては結構厳しい選択だと思います。

従事するために専門資格を要する仕事の一例
  • 美容師
  • 看護師、作業療法士など医療系は資格必須
  • 介護師
  • 歯科衛生士
  • 社会福祉士
  • 保育士
  • 調理師(一部資格を要する仕事がある)
  • 電気工事士(建築関係は資格を要するケースが多い)
  • 自動車整備士(資格がないとできない仕事が多い)
  • 弁護士など士業
資格不要で従事出来る仕事の一例
  • スタイリスト(ネイル、ファッションなど)
  • コーディネーター(カラー、インテリアなど)
  • デザイナー(デザイン関連の資格は多いが必須なものはほぼない)
  • 語学系(翻訳、通訳などは資格がなくても従事出来る)
  • IT関連(IT系で資格必須のものはほぼない)

20代後半から大学、専門学校に行くデメリット

逆にデメリットもあります。

それは主に以下の3つ。

  1. 学費が掛かる
  2. 友達が出来づらいことがある
  3. 就職試験で不利に働くことがある

1つ目は詳しく語るほどではありませんが、学費は結構掛かります。どこに入学するかにもよりますが、2年の専門学校でも新車が買えるくらいの費用は掛かります。

3つ目は詳しく後述して、意外とツライのが2つ目の「友達が出来づらい」ことです。

冒頭でも触れた通り、日本では社会人入学者が極端に少ないです。

そのため一浪、二浪した二十歳くらいの人は割といますが、25歳を超える人は非常に少ないです。

十代ばかりの中で社会人経験のある20代後半が打ち解けるのはやや難しく、同年代と比べて壁が出来てしまいがちです。これはそもそも就労経験がある自分と、高校出たばかりのフレッシュな学生とではあまり話が合わないからです。

遅いと就職に不利?企業にどう見られるかがカギとなる

学生がそのまま大学や専門学校に進学するのは誰も疑問に思いませんが、一度社会に出て再び学校に行く人に対して企業側からすると「何故?」と思ってしまいます。

「何故大学(もしくは専門学校)に入ろうと思ったんですか?」

面接でこう聞かれた時にはっきり答えることが出来なければ絶対に行かない方がいいです。

「その分野が好きでそれに関する仕事に就きたいと思ったからです」

という明確な答えがあったとしても、必ずしもその必要がない分野であれば面接で次のように聞かれます。

「それは必ずしも学校に行く必要があったのですか?独学で学ぶ人も多いですが?」

20代後半で学校に行くと年齢という不利も出てくるため、その際の答えを用意出来ないうちは別の道を考えた方がいいと思います。

学校に行かずに就職するという選択

大学や専門学校に行くのと、行かずに就職するのではどちらが正しいか?

これはやはりケースバイケースですが、年齢によっては断然「就職した方が良いだろう」と思います。

たとえば同じ20代でも20代前半と後半では卒業後の就職に大きな差が出てきます。

たとえば22歳に入学した場合、卒業する歳はおおよそ26歳です。現役生よりも不利かもしれませんが、まだ20歳なので内定をもらうのはそれほど難しくはないでしょう。

一方27歳で入学した場合、卒業する頃には30歳を超えています。

いくら大卒とは言っても、30歳を超えてしまえば就職に圧倒的に不利になってしまいます。

時流的にも早めに就職した方が良い

これは今の時代だからこそ言えることなのですが、2021年現在日本は多くの業界で人手不足に悩まされています。

2018年の有効求人倍率は1.6倍を超え、就職氷河期と言われた時代とは比べ物にならないくらい求人が有り余っている状況です。※氷河期は0.6倍程度

私が学校を卒業した頃は「一度フリーターになってしまうと再就職が出来ない」と言われていましたが、今はフリーターやニートを専門とする人材紹介会社がたくさんあるほどです。

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今後この売り手市場(求職者に有利な状況)がずっと続くかはわかりません。

「歴史は繰り返す」という言葉がありますが、どの国でもどの時代でも仕事があり続けるということは有り得ません。

これから大学に入学して4年後、求職者が今より有利に就職ができる可能性は極めて低いでしょう。

ということを考慮すれば、私なら4年制大学への進学はせず、就職します。

まとめ

というわけで私は自分のやりたい仕事をするのに必要ならば大学、専門学校に通うという選択もありですが例えば独学やスクール等でスキルを習得出来る分野なら通う必要なはい、というのが結論です。まあ普通のことなんですがね。

そしてその際、本当にその専門スキルが必要なのかをちゃんと考えるべきです。

例えば美容師なんか就職先はたくさんありますし専門学校を卒業して美容室に就職する人の割合はかなり高いです。なので就職すること自体は難しくありませんが、給料が安い上にかなりハードな業界です。将来独立するくらいのやる気がある人でないと続かないかもしれません。

社会人が学校に通うためにはかなりの大金が必要です。奨学金等後から払うような制度もありますがそれらは卒業と当時に数百万の借金を背負うのと同じです。

自分が本当にやりたい仕事なのか、その仕事をするためにはどうしても学校に通う必要がるのか、

今一度考えてみましょう。

ちなみに個人的にこれは費用対効果が高いかなと思うのは看護師です。何せ給料が高いし慢性人手不足ですから当面仕事にも困りません。私も一時期本気で考えたことがあります。

著者プロフィール

ニックネーム:吉本ひろうみ

記事のライティング、運営管理担当。

高知県出身。
フリーター5年、プロバイダ販売、電気通信事業者の営業を経てインターネット広告業界に参入。
副業で取り組んだ後に独立。インターネット広告を6年、現在は起業しサブスク事業などをやってます。

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