少し身も蓋もない話になってしまいますが…
私はたとえフリーターでも特に20代であればそれなりの企業に就職して平均的な収入を得ることはそれほど難しくないと思っています。
平均的な収入というのは平均収入のことではなく、中央値にあたる収入です。
平均というのは何度か説明したこともありますが現代は平均値の10倍以上の収入のある人が少なくないため、そういった人達が平均値を押し上げてしまっていて実態とはややかけ離れたものとなっています。
国税庁の「令和4年分 民間給与実態調査」によると、2022年の平均年収は458万円となり、過去10年間で年収にほとんど変動がないことがわかります。
30年前となる1992年の平均年収は425万円となっており、ここ30年で平均年収がほとんど変わっていないことがうかがえます。
令和4のデータによると平均年収は458万円となっています。
しかし実質この数字より多くもらっている人はきっと少ないでしょう。年収450万というのは月収32万でボーナス夏冬合計2か月分くらいの水準です。
実態に近い数値は収入の少ない人から高い人を並べて中央にあたる数値です。
キャリコネニュースの記事によると男性の年収中央値は400万円前半程ではないかという見方がされています。
「給与階級別分布」によれば、調査内の男性合計は2754万人なので、中央値は1377万人あたり。年収400万以下の人は1179万人おり、「400~500万円」の人が472万人いるので、男性の年収中央値は「400万円前半」と見ることもできそうだ。
つまり会社員男性の実質的な平均的な年収は400万円前半で、月給28万+夏冬ボーナス3か月分くらいの収入が一般的ではないかと思います。
そして前置きが長くなりましたが私はこれくらいの収入ならフリーターでも就職して十分得られる収入であると考えています。
しかし普通にしていてはこの数値を大幅に超える年収を得るのは難しいのではないかと思っています。
何も持たないフリーターが得られる会社員としての年収
団塊世代が退職し人手不足気味になりつつある昨今、少し努力すればフリーターでも就職するのはそれほど難しくありません。
巷ではブラック企業がどうとか騒がれていますが少し探せば完全なホワイト企業は難しくても(そもそも全体的にそんな企業ほとんどない)離職率がそれほど高くない企業に就職出来るはずです。
しかし上記を超える平均的な年収(400万前半)を大幅に超える会社に就職するのは厳しいでしょう。
これは別にフリーターに限っての話ではなく、平均以下の大学や高収入を期待できない分野の専門学生、工業高校を除く高卒者等にも言えます。(工業高校は地元の電力会社等の優良企業に就職出来る可能性が大いにあるのです。)
平均的な収入を得ている人はいわゆる平均的な企業に勤めている人達です。
逆に平均を大きく上回る収入を得ている人達は平均を大きく上回る企業か医療等専門的な分野で働いている人だけです。
平均を上回る優良企業、日本企業ならトヨタ、NTT、電通、メガバンク等で働く人の年収は平均値を大きく上回っています。
・トヨタ 780万円以上
・NTT 870万円以上
・電通 1500万円以上(推定)
・メガバンク 600万後半~800万円以上
これら平均を大きく上回る年収を得られる企業は競争率も高く、東大や京大等日本上位大学から新卒で入社する以外の道はほとんどないと思われます(グループが大きいので末端社員になるのはそれほど難しくない場合もあります)。
日本で高収入を得るには高い学歴を持つか医師や税理士等の専門的な資格を持つこと以外ほとんどないでしょう。
つまり高収入を得ることの出来る専門スキル、または上位大学出身者でないと日本の会社で平均を大きく上回る収入を得ることはかなり厳しいわけです。
これはもう日本のルールというか、そういうことになっています。
日本が全体的に経済成長しない限り「何も持たない人」の年収は400万円前半、悪ければ300万円台が基本となります。
何も持たない人が高収入を得る道はあるのか
先述した通り「何も持たない人」が会社に勤めても平均的な収入(400万円前半)を大きく超える収入を得ることはほとんどできません。
「一生懸命頑張って働いて長く勤めればもっと上がるのではないか?」
と思っても、せいぜい今その会社で一番収入を得ている人の収入が限界で、それ以上もらうためには会社そのものが大きく発展する以外あり得ません。
しかしそれは個人の力だけではほぼ不可能です。会社の収入を上げるには会社の力を借りる以外に方法はなく、それは個人ではどうすることもできません。
ではフリーターを始め「何も持たない人」が高収入を得るのは不可能なのか?
というと必ずしもそうとは言えません。
その方法は以下の3つ。
・独立して働く
・副業で収入を得る
・投資をする
今の日本で一流企業や外資系金融会社、IT会社で勤めている人以外で高収入を得ている人はこの3つのどれか(複数の場合もある)によるものです。
ただ、一つ言えることは上記3つのどれかで収入を得たければ「何も持たないままではいけない」ということです。
独立するにしても、副業するにしても、投資をするにしても、そのための知識、スキルは必ず必要です。
ただ、いずれの場合もこれから東大に入学するより、医師や税理士の資格を取得するよりずっと現実的です。
独立して働く
独立というのは会社を興してというだけではなく個人事業やフリーランスとして働く場合も含みます。
例えば安月給のイメージしかない美容師は美容室で勤務しても高い収入を得ることはできません。平均年収は300万円以下とも言われています。
しかし独立して開業した人の中には年収1000万を超える人も少なくありません。私の知人にも去年開業した美容師がいますが現在の月収は以前のそれをはるかに超えているそうです。
独立というととても敷居が高いような気がしますが、近年は仕事も多様化しているためイラストを描いて生計を立てている「絵師」や動画を上げて広告収入を得ている「youtuber」、ブログで広告収入を得ている「ブロガー」等初期投資がほとんど必要ないビジネスも多数存在します。
そしてこういった形で収入を得ている人はおそらく誰もが予想している以上に多いです。
会社に勤める人はおそらく会社で勤める人以外の人と知り合う機会はほとんどないので信じられないかもしれませんが、コワーキングスペースのようなところではそういった人がたくさん働いています。
独立してしまえば得た収入はすべて自分のものなので収入に上限はありません。
副業で収入を得る
「独立」とつながる部分もあるんですが、上述した「絵師」や「youtuber」、「ブロガー」のような働き方は別に独立しなくても副業でできます。むしろ取り組んでいる人の大半は会社に勤める人達です。
生計を立てるまでの収入を得られなくても月5万、10万得るだけで生活は飛躍的に豊かになります。
月収5万で年間60万、10万で120万給料に上乗せされるわけですから。中には月20万以上稼ぐ人も少なくなく、そういった人達はたとえ会社の収入が400万だったとしても合わせて600万以上の収入を得ていることになります。
本来「何も持たない人」が年収600万円得られる会社に就職するのはほぼ不可能ですが副業によって実現することが出来るわけです。
投資による副収入
投資は日本では特別な人がやるもの、お金に余裕のある人がやるものという認識が強いですがアメリカでは資産の大半は投資に回すことが基本とされています。学校でもそのように習うようです。
投資はギャンブル的なイメージを持っている人も多いようですが平均的に年利5%~7%程度増やしていくことはとても現実的です。
年利5%というのは1000万の投資で年間50万、2000万円で100万です。
年間100万投資によって得られればこれほど楽なことはありません。もちろんあくまで投資なので元本を割ってしまうリスクはあります。しかし長期的に見て平均5%の利回りはとても現実的な数字なんです。
ただ、投資はやはりある程度の余裕があってこそ出来るもの。
私は今でこそ投資に回せるほどの収入になってきましたが、今までずっと貯金が一切できないほどの収入しかなかったので投資に回せる余裕がないという人の気持ちがとても分かります。
だからこそまず支出を抑えること、それが難しければ「副業で収入を得ること」はとても重要になってきます。
まとめ
「何も持たない普通の人が高収入を得ることは可能なのか」
という疑問に対する答えは厳密にはほぼ不可能と考えるのが正しいかもしれません。
しかしこれから少しずつ「何かを持つ」ことは可能である考えます。
そしてその「何か」は特別に優れた能力である必要はありません。
ある人は「人が持っていない優れた能力が必要である」と言います。
確かにピクシブにイラストを投稿して仕事を得るにはピクシブの中でも優れたイラストを描く能力が必要かもしれません。
しかし現代は多種多様の仕事があり、一言にイラストといっても求められるスキルは様々です。
必要なのは人が持っていない優れた能力、スキルではなく「これから必要とされる能力、スキルを見つける能力、また必要としている人達に提供する能力」であると考えます。
それは別に特別なスキル、専門的なスキルを持つ必要はありません。
ただ人より多く情報を得て問題を探すこと、情報を発信して問題を抱えている人の目に届けるだけでいいんです。
それでも「独立」や「副業」が全く現実的に感じないと考える人も多いでしょう。
そういった人はまずコワーキングスペース等に行って実際にそういった人を知ることから始めてみましょう。身近に感じることが出来れば考え方も変わってくると思います。
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