小売業、飲食業って給料安いですよね。
私もバイトも含めて複数社で小売店や飲食店で勤めていた経験があるんですが、どの職場でも店長クラスの給料が平均的な会社員の給料を大きく下回っていることに驚きました。
店長クラスならまだましですが、末端の社員だとフルタイムで働くバイト等の非正規雇用者とそれほど変わらないことが多いです。
小売、飲食関係で正社員として働いている多くの方が給料の低さに頭を抱えているのではないでしょうか。
小売、飲食業は平均的に年収が低いため、可能ならば異業種へ転職した方が早いですが長く業界にいる人や30歳を過ぎて異業種への転職が難しい人は簡単には出来ませんよね。
というわけで本ページでは小売業、飲食業で働く人が年収を上げる方法について解説します。
小売、飲食業の給料が安い理由
何故小売業、飲食業の収入が低いのか。ここを理解すればどう動けば良いのか、どう働けば良いのかが見えてきます。
その前に小売業、飲食業は総じて給料が本当に安いかどうかを見てみましょう。
知名度の高い会社の平均年収は以下の通りとなっています。
有名小売企業の平均年収
- セブン&アイ・ホールディングス - 737万円
- ファーストリテイティング – 958万円
- しまむら – 645万円
- ゲオホールディングス – 500万円
有名飲食企業の平均年収
- 吉野家 – 705万円
- 松屋フーズ – 641万円
- サイゼリヤ – 561万円
- 王将フードサービス – 523万円
※平均年収ランキング – 小売業 | Ullet(ユーレット)参照
末端社員の給料が安い
上記はいずれも全国展開する有名企業ですが、意外と平均年収は悪くない数字となっています。
ランキングの下位の方にいる企業も平気年収300万円後半~400万円くらいはあるので月収にして平均30万円以上は見込める会社が多いようです。
しかし小売、飲食で働く多くの社員の給料は月収30万円を下回っているでしょう。
平均年収はあくまで平均で、高い年収の人が数人入るだけで平均を押し上げます。
例えば、10人中8人の平社員の月収が300万円と年収800万円の役員2人で平均年収400万円となります。
役職によって年収が大きく違いのはどの業種でも言えることですが、店舗事業である小売、飲食業界ではこれが顕著に表れてしまいます。
店舗で働く末端社員の年収は300万円前後であることがほとんどです。店長クラスでも月収30万円に届かない人もたくさんいます。
しかし本社事務所等で働くマーケティングや企画、人事等の部署で働く人達はやはり一流企業並みの収入を得ています。働いている人も一流大卒の人ばかりですが。
店舗で働く社員の人件費はコストと見なされる
会社が社員の給料をコストと見るか、投資と見るかで従業員の給料や昇給に大きな差が出てきます。
従業員を雇うことで掛かるコストを投資と考える企業は社員の能力アップやモチベーションアップを図るために従業員に投資することが少なくありません。
一方で従業員に掛かる費用をコストと考える企業は極力抑えようとすることしか考えません。
小売や飲食等の店舗事業の場合、店舗で利益を出すためにその店舗で働く全従業員の人件費は漏れなくコストとみなされます。
個人経営の店なら別ですが、基本的にどの企業も店舗の売上に掛かる人件費の割合が定められ、その範囲でのやり繰りが求められます。
店舗事業ではよくサービス残業が問題視されますが、残業手当を付けると店舗で定められた人件費の範囲で収まらないためそのような策を取ってしまうわけです。
誰でもできる仕事という意識が強い
某牛丼チェーン店のストライキ騒動があって以降ここ最近はましになりつつある気がしますが、店舗事業を行う企業は末端社員をいつ辞めてもらっても構わないくらいで雇っています。
というのも小売も飲食も経験者が豊富で離職する人も多いため従業員が辞めても即理戦力の補てんがしやすいからです。
「いつ辞めてもらっても構わない」
という意識があれば従業員の給料を増やす必要はありませんよね?
小売、飲食業の末端社員の年収が低い最大の要因はここにあります。
つまり、「従業員をコスト」とみなされ、「辞めてもすぐ変えが利く」と思われている店舗スタッフであるうちは年収400万円の壁を破ることは出来ません。
年収を上げたければ昇進するしかない
ここまで述べてきた通り、店舗で働く末端社員のうちは低賃金で昇給もすぐに頭打ちになっていまいます。
そのため小売、飲食業の仕事で年収を上げるためには店舗の管理を任されるエリアマネージャーやブロックマネージャー等に昇進しなければなりません。
「末端社員→店長クラス→エリアマネージャー→ブロックマネージャー」
という流れで昇進することで年収400万円の壁を超えることが出来ます。
昇進して地位が上がれば上がるほどその分残業も増えますし責任も重く大変ではありますがこの業界では昇進せずに人並みの給料を受け取ることが出来ません。
店舗の末端社員として何十年働いても平均的なホワイトカラー(営業職等)の会社員の収入にはなりません。
昇進するためのポイント
ではどうすれば昇進することが出来るか、小売、飲食業で出世するポイントは以下の二点につきます。
- 経営者視点で働くこと
- 昇進願望があることをアピールすること
経営者意識を持って働こう
店舗事業の会社で昇進するということは管理職になるということです。
どんな業種の企業でも管理職に抜擢する人材は管理能力があると見なされた人材ですよね。
小売、飲食業の場合店舗の管理を任せても良いと判断された人を昇進させます。
そのため昇進したければ自分が管理出来る立場になる必要があるわけです。
ただ単に末端社員として与えられた仕事をこなすだけの働き方をしていてはいつまで経っても管理能力は身に付きません。
昇進したいと願うなら経営者意識を持って仕事に取り組みましょう。
もし自分がその店舗の経営者なら利益を上げるためにどうすれば良いか考えるはずです。
利益率の良いA商品と利益率の低いB商品、店舗の利益を上げたいと考えるなら当然A商品を多く売っていきたいですよね。
陳列する商品等、自分の判断でコントロール出来る幅が限られている場合が多いと思いますが出来る範囲だけでも利益率や売上を考慮した仕事をすれば評価されます。
上司に管理能力のある人材と判断されればすぐに昇進とならなくても任される仕事が増え、昇進の道が見えてきます。
昇進意欲があることをアピールしよう
もう一点昇進するために意識して欲しいことは意欲、やる気をアピールすることです。
これもどんな業種にも言えることですが、昇進する人の多くは上司や同僚に昇進願望があると思われている人です。
逆に、
「出世なんか興味ない」
「管理職になりたくない」
というようなことを言っている人が昇進することはほとんどありません。
管理職になりたくないと思っている消極的な人よりも、昇進したいと思っていて意欲的に仕事をしている人の方が昇進対象になりやすいわけです。
アピールするといっても日常的にアピールする必要はなく、何かのきっかけで昇進願望があることを知ってもらうだけでOKです。
まとめと補足
小売、飲食業で給料をアップさせるには昇進する以外に方法はありません。
この業界で収入アップをしたいと考える人は経営者意識を持って管理職を目指しましょう。
しかしそもそも直属の上司や会社そのものに問題がある場合、どんなに頑張っても昇進することが難しいことがあります。売上が落ちる一方で回復の兆しのない飲食店で収入を上げることはほぼ不可能です。
そういった会社に勤めている人はやはり同業種で転職するべきです。
ブラック職のイメージが強い店舗事業の会社は慢性的に人手不足であることが多いので経験者であれば多少高齢でも転職することはそれほど難しくありません。
思い切って転職してみましょう。
また、小売業や飲食業に肩入れする理由がなければ異業種へ転職するのも良い手段です。
そもそも小売、飲食は業界そのものが賃金の安い業種の部類に入るので転職によって比較的簡単に年収を上げることが出来るでしょう。
いずれにしても平日に休みが取れる仕事なので転職活動はしやすいと思います。その点は本当に有利です。一般的な土日休みの仕事だと勤めながらの転職活動はかなり難しいですから。
また、doda(デューダ)等、転職支援サービスを利用すると効率よく転職活動をすることが可能です。
求職者側は無料で利用出来るので活用しましょう。
飲食業の場合、飲食業を専門とする転職支援サービスもあるのでそれを利用することで効率よく転職が可能です。
年収アップは本人の努力はもちろんですが、そもそも給料の安い会社で働くとどうしようもないので、その際はまず収入の良い会社に転職することを検討しましょう。
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