本当に3年いないといけないの?
世間一般では、「3年以内に仕事をやめることは望ましくない」とされています。
「3年も働いてないのにやめるなんて根性がない」とか、「3年はやってみないと仕事の楽しさはわからないよ」とか、いろいろ好き勝手言ってくれる年配の人がいますね。
ところでこの「3年」って基準、何がきっかけでできたんでしょうか?やはりことわざの「石の上にも三年」でしょうか。
なんとなく世の中全体にそういう風潮があるため、仕事が辛くて辛くてもうやめたい、次の仕事を見つけたい、でも3年働いてないしなあ・・・とりあえず3年は続けるか・・・と、まるで「束縛」されたかのように”3年”に取り憑かれてしまう人がいます。
果たして、本当に就職したら3年勤めないといけないのでしょうか?
答えから言えばもちろんノーです。
仕事で大事なのは「何年働いたか」ではなくて「何を身につけたか」でしょう?
正直なところ、20年も勤めてるのに能力としてはあまり上がらない人もいれば、1年目で職場の大きな戦力になる人だっています。亀の甲より年の功とは言いますが、年数を重ねれば誰でもスキルがつくわけではないですよね。
それなのに、3年という謎の数字に縛られて年数だけで語ってしまうのは、ナンセンスとしかいえません。
ちなみに近年大卒で就職した人の約35%は3年以内に辞めています・・・
厚生労働省は、平成31年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況を取りまとめましたので公表します。
就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が35.9%(前年度と比較して1.0ポイント低下)、新規大学卒就職者が31.5%(同0.3ポイント上昇)となりました。厚生労働省HPより引用
若い間の3年はとても大きい
歳をとって40代50代になってしまえば、「3年なんてあっという間だ」「3年もしないうちにやめるなんて」と言えてしまいます。
それもそのはず、だって歳を取れば取るほど、1年の過ぎるスピードは早くなります。当然3年だってあっという間です。
でも、まだまだ若い20代や30代にとって、3年というのはかなりの年月です。
無駄に過ごしてしまうには長すぎる年月なんです。
そんな貴重な若いころの3年間を、我慢して我慢して、やりがいを感じられない業務をこなし、上司から叱られ、まったく楽しみを感じられない職場で過ごすなんてもったいなさすぎます。
世の中にはたくさんの会社があります。合う会社があれば合わない会社もあります。
人間関係があまり良くなかったり、ストレスが溜まってしまう場合もあります。
だから、自分に合わないなと思えばサッとやめて次の職場を探すほうが遥かにいいじゃないですか。「3年は最低でも勤めないとな・・・」と思わなくていいんです。
「とりあえず3年」は本当に危険!
一番良くないのは、そういう「3年は務めるべきだ」という迷信じみたものを律儀に守ってしまい、「まあとりあえずは3年頑張ろう」と無理をした挙句、結果的に3年経ってもたいしてスキルや知識が身についてない場合です。
ただただ日々のルーティンに流されて、3年経ったのに自分に自信が持てず、この3年間はなんだったんだろう・・・と後悔してももう後の祭り。
新卒で就職したとしても、3年も働けばもう20代後半。立派なアラサーです。
そこから転職を始めても、業種によっては厳しいこともあるかもしれません。何より、自分に自信が持ててないと「転職してもどうせダメだろう」とマイナスな思考になってしまい、再就職先を見つける気力がなくなっちゃうって話もよく聞きます。
繰り返しになりますが、自分にとってプラスが得られないと感じる職場で3年も耐える必要、本当にあると思いますか?
人生というのは有限です。
仕事でどうせ苦労するなら、できるだけ自分が成長できるような、有意義な環境で苦労すべきだとは思いませんか?
それに、「3年」なんて数字は何の意味もありません。
とりあえずの目安みたいなものにしかならないし、3年同じ会社に勤めたからってどうなるわけでもありません。
3年経ったら急にタララタッタッターン♪とレベルアップして強くなれるわけでもありません。
いきなり「はい、3年頑張ったから給料2倍ね!」ってなるわけでもないし、「3年も勤めるなんて素敵★私と付き合って!」とモテるわけでもありません。
我慢して無理に3年過ごす人ほど、まるで3年経っただけですごい人になれるかのような錯覚に陥るんです。
本当、注意してください・・・
再就職が厳しいのでは?
「そんなこと言っても、1年とかで辞めてたら再就職厳しいんじゃないの?」
「継続力や忍耐力がないと思われて採用されなさそう・・・」
大丈夫です。安心してください。
そんな風に、働いた年数だけで全てを判断するような会社は、結局そこに入った後も勤続年数だけで判断されます。
「最低でも3年ぐらいはいてもらわないと・・・」みたいなことを言い出します。
だからそういう会社は最初からこっちから願い下げです。
それよりも、1年なら1年で、その1年で「あなたはどんなことを学び、それを次の仕事でどう生かすか」をちゃんと語れるようにしておきましょう。
ブラックなり、人間関係なり、やめた理由を正直に語るのは悪いことではありません。
それをマイナスに捉えず、今後どのようにプラスにしていくかという前向きな姿勢が評価されるんです。
実際、1年も経たずに会社を辞め、その後転職して労働環境のいいホワイト企業に採用されたという人はたくさんいます。私の知人にもいますし私もその一人です。
今は大学を卒業して入社してしまった会社をすぐに仕事を辞めてしまった人、そのまま就職せずに卒業してしまったいわゆる第二新卒者を専門とする人材紹介会社もあります。
就職氷河期と言われた一昔前ならともかく、今は仕事が選べるほどに働き口はあります。
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