フリーターの定義ってご存知でしょうか?
フリーターという言葉は1990年台初頭くらいに誕生した言葉で、実は歴史そのものは浅いんですが、そのためか「実はよくわかっていない」という人が多いんです。
本ページは、
「フリーターってそもそも何なの?」
「定義とかあるの?」
「無職やニートとは何が違うの?」
と思う方向けにそれぞれ違いについて、またフリーターの定義についてまとめます。
フリーターの定義
そもそもフリーターって何なの?
定義とかあるの?
というところから始まるわけですが、「フリーターの定義」というのは実は結構あいまいです。
というのも例えば正社員や派遣社員という雇用形態は法律で定められたルールがあるのですが、フリーターには法律上で定められた定義はありません。
そのためフリーターの明確な定義と呼べるものは存在しませんが、現時点では厚生労働省が分析する際に定めている以下の定義が定着しているようです。
1.年齢は15~34歳と限定
2.現在就業している者については勤め先における呼称が「アルバイト」又は「パート」である雇用者で、男性については継続就業年数が1~5年未満の者、女性については未婚で仕事を主にしている者
3.現在無業の者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者
総務省統計局HPより引用
つまり15~34歳の人のうち、
主に雇用形態が「アルバイト」「パート」である雇用者及びそれを希望する人
というのが総務省が定める定義であるようです。
このうち学生や女性の既婚者は除外されるようです。
この定義は現在も使われていて、ネット上でよく見る統計データなどでもおおよそこれが基準となって数値化していると思われます。
【ポイント1】 35歳以上はフリーターではない
ここで注目したいのはやはり年齢ですよね。
フリーターは現在でも「34歳まで」とされており、35歳以上はパートやバイトの人でもフリーターに該当しません。
フリーターという言葉そのものが「若年層(若者)」を指す言葉なのでこのように定義されているんですよね。
近年フリーターは減少傾向にありますが、そもそも若年層の人口が減少しているため、フリーターの割合が変わっていなくても全体的なフリーター人口は減少傾向にあるというデータのマジックが起きています。
【ポイント2】 フリーターはバイト、パートのみ
2つ目のポイントはフリーターと定義される人の雇用形態はバイトやパートのみに限られるというところです。
これはすなわち、
- 準社員
- 契約社員
- 派遣社員
- 期間工
などの非正規雇用者(正社員以外の働き方の人)はフリーターから除外されていることになります。
契約期間に定めのあるこれらの働き方はバイトやパートとあまり変わらない立場にありますが、それでも「定職に就いていないフリーターとは違う」とされているようです。
単発、短期アルバイトもフリーター
例えば1日限りのバイトや期間限定のバイト(リゾートバイトなど)をしている人もフリーターと定義されるようです。
働いていない期間の長さに明確な定義がされていないため、月に1日バイトするだけの人も無職やニートとはならず、フリーターとなるようです。
特に期間の定義はないようですが、やはり数ヶ月全く働いていないと「無職」「ニート」となるようです。
フリーターの人口はどれくらい?
では厚生労働省が定める定義に当てはまる真のフリーター(笑)は現在日本にどれくらいいるのでしょうか?
ガベージニュースがまとめた記事によると2018年のフリーター人口は、全国で143万人となっているようです。
フリーター人口の推移は2017年で152万人、2016年で154万人なので年々減少傾向にあります。
しかし問題は「フリーターの高齢化」で、2006年頃までは15歳~24歳までの若いフリーターが多かったのですが、2007年からは25歳~34歳までの割合が増え、現在はフリーター143万人のうち82万人(約57%)が24歳以上となっているようです。
2018年は143万人、前年比で9万人減少・フリーターの推移をグラフ化してみる(最新)|ガベージニュースより
無職とニートについて
次に無職とニートについて解説しておきましょう。
ご存知の方も多いと思いますが、この2つはいずれも「仕事をしていない人」を指す言葉です。
ただ、無職とニートは少しだけニュアンスが違います。
ニートの定義
まずニートからですが、ニート(NEET)は「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を取った言葉で、
「就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない」
に該当する人です。
ニートという言葉が生まれたのはイギリスで、日本で使われるようになったのは2003年頃のようです。
このうち日本ではフリーターと同じく15〜39歳までと厚生労働省は定義しているようです。
つまりニートもフリーターと同様、若年層にしか使われない言葉です。
ちなみにニートは2016年まではフリーターと同じく34歳までと厚労省が定義していましたが、ニートの高齢化によって実態とかけ離れてしまっていることから2017年から39歳までが定義されるようになりました。
2000年台初頭では35歳以上のニートが問題視されるほど多くはなかったのです。
学んでいる人や仕事を探している人はニートに該当しない
ニートは一般的に「働いていない人」を指すことが多いですが、厚労省の定義によると仕事を探している人(求職者)はニートに該当しないようです。
求職者とは例えばハローワークで求人情報を見たり、職業訓練校に通っていたり、人材サービスを利用したりしている人のことで、これらを行っている人はニートに該当しません。
また学校に通っている人はもちろん、就業のために資格取得に向けて勉強している人は、たとえ独学でもニートとは呼べません。
たとえ全く仕事をしていない人であっても「仕事をしようとしている人」はニートとは定義されないようです。
余談ですが、厚労省の定義によると女性の「家事手伝い」はフリーターもニートも対象外となるようです。
学校に行っていなくて、仕事もしていなくて両親が普通にいる家庭で皿洗いをしていれば女性に限っては「フリーターでもニートでもない」とするのは、男性視点ではかなり不思議な定義だなと感じますね。
ニートの人口は70万人以上
2018年の統計によるとニートの人口はおおよそ71万人とされているようです。
これが多いか少ないかはさておき、問題はやはり高齢化です。
ガベージニュースがまとめた記事ではニートの年齢層をそれぞれ、
- 15~19歳
- 20~24歳
- 25~29歳
- 30~34歳
- 35~39歳
と分別しているようですが、このうち最も割合が大きいのは35~39歳で、次いで30~34歳、25~29歳と年齢が若くなるにつれてニートが減少傾向にあるようです。
- 15~19歳:7万人
- 20~24歳:14万人
- 25~29歳:15万人
- 30~34歳:17万人
- 35~39歳:18万人
ニートの数も減少傾向にありますが、これでは単に「40歳以上の対象外の人が増えただけでは」と指摘されても仕方ないですね…
無職は働いていない人の総称でありニートとは違う
無職は文字通り働いていない人、そして学校に通っていない人を指します。
- 会社員
- アルバイト
- 自営業
- 学生
以外の人。
職業欄に「何も書けない人」が無職に該当しますね。
ニートと違う点は職を探している段階の人や、学校に通わず独学で勉強をしている人も「無職」という扱いになることです。
ちなみに「主婦」は一般的に無職とは定義されません。
上述した「家事手伝い」を無職とするかは賛否両論あるようです。ただ職業欄に「主婦」とは書けても今の時代に「家事手伝い」はかなり苦しいものがありますね。
男女平等が騒がれる昨今において女性の「家事手伝い」はありだけど男性の「家事手伝い」はなしというわけにもいきませんし、男性の「主夫」をなしとするのもどうかなと思いますから、やはり「主婦(主夫)は無職ではない」が「家事手伝いは無職」とするのが適切かなと思ってしまいます。
フリーターとニート、無職の根本的な違い
ここまで読めば「フリーター」「ニート」「無職」がそれぞれどういったものか理解できたのではないかと思います。
簡単にまとめると、
- フリーター:15~34歳のアルバイト、パート
- ニート:15~39歳のうち学んでもなく仕事しようともしない無職者
- 無職:学生や主婦以外の無職者
と定義することができます。
フリーターとニートは若年層限定
上述した通りフリーターは15~34歳、ニートは15~39歳までに限られています。
これを見直すべきと主張する人も多いようですが、現状ではそれぞれこういった人を対象としているようです。ニートに関しては見直しされて現在の定義となっています。
このブログは主にフリーターに向けて書いていますが、割合的には閲覧者の約20%程度が35歳以上の人になっています。
35歳を過ぎていわゆるフリーター、ニート生活をそのまま続けている人は実はかなり多いのではないでしょうか。
コメント