「既卒」
「高卒」
「フリーター」
は結構な三重苦ですよね。
就職が難しいとされる代表選手のようなもので、いくら人手不足といってもまともな会社に就職するにはしっかりとした対策が必要です。
本ページではこういった既卒の高卒フリーターのための就活方法について解説します。
それこそ私も26歳の時に就職するまでは「既卒の高卒フリーター」でした。しかもフリーターを5年くらいやっていました。
高卒は高卒市場で戦うしかない
まず第一にお伝えしたいことは、高卒者はコネや引き抜き以外で大卒しか採用しない求人枠で採用されることはないということです。
就職というマーケットの中には新卒者のマーケットがあったり、中途採用のマーケットがあったり、引き抜き(ヘッドハンティング)のマーケットがあったりします。
新卒者のマーケットの場合当然高学歴が有利です。しかし中途採用の場合は即戦力になる人材が有利です。
つまり高卒者は高卒の人を採用する求人に応募しなければいけません。
フリーター向け紹介会社を利用する
一番手っ取り早い方法はフリーター向けの人材紹介会社を利用することです。
こういった紹介会社を利用すれば、大卒しか採用しない会社を応募してしまうようなことはありませんし、紹介実例のある企業であれば対策も立てやすいです。
中でも無料就活講座があるジェイックは書類選考なしで面接に挑むため、大卒者と同じ土俵で就活に挑むことが出来ます。
条件は変わってくるかもしれませんが、大卒者と同じ会社を応募することができるのです。
こういった「高卒フリーターの味方になってくれる紹介会社」を利用するのが一番手っ取り早いです。
地方の場合はハローワークを利用する
上述したジェイックを始めとする人材紹介会社はある程度都市部でしか対応していないことが多いです。
ジェイックは大阪や名古屋を始めある程度都市部であれば拠点がありますが、それでも北海道や四国くらいになると拠点がありません。
その場合は近くにあるハローワークから応募するしかありません。
ハローワークはあまり良質なサービスとは言い難いですが、使い方次第では十分仕事が見つかります。
実際私自身も近くに民間の紹介会社がなかったため、ハローワークを利用して就職しました。
ハローワークを使いこなすコツを下記ページでまとめているので、紹介会社がない地方の方は合わせてご一読ください。
いったん就職してキャリアアップを図る
高卒よりも大卒の方が初任給が平均的に高いことは周知の事実で、それは多くの就職支援会社や雇用に関する企業、機関等のデータによって明らかです。
では何故高卒より大卒の方が初任給が高くなるかというと大企業、人気企業が初任給の相場を押し上げているからだと考えられます。
大企業、人気企業は数ある学生の中でも特に優秀な学生を欲しています。
そのため優秀な学生に入社してもらうために大卒生という就職市場の中で高い給料を提示するわけです。
例えば人気企業、A社が25万という初任給を提示しているとすると、同じく優秀な学生が欲しい企業もそれに合わせて初任給を上げてきます。
大企業、人気企業でない企業も優秀な学生が欲しければその初任給に出来る限り合わせなければいけません。
そのようにして大卒生の就職市場で初任給の相場が決まってくるわけです。
高卒だと一つめの会社の給料は耐えるしかない
一方で高卒の就職市場では大企業、人気企業が初任給の相場を押し上げるようなことが起きにくいです。というのも高い給料を払ってでも優秀な学生が欲しいと思う企業は高卒ではなく大卒で選ぶからです。
大卒者の中には東大や京大のような高学歴で優秀な人がいますが、高卒者は高学歴である場合その多くが大学へ進学するため高卒の就職市場には勉強が出来る頭の良い学生が少ない、と企業は考えるんです。
つまり大卒の就職市場では優秀な学生に入社してもらいたいがために高い初任給を提示する会社が多く、高卒の就職現場では出来るだけ安い給料で雇いたいと考える会社が多いため初任給も安くなるというわけです。
つまり高卒で初任給が高い会社に入社することは通常困難で、そこから大幅な昇給も期待出来ず、一社目は耐えるしかありません・・・
正社員経験があれば経験、実績が評価される
学生が一度就職すると就職市場では新卒者ではなく、既卒者となります。
新卒者の場合、その学生を評価するポイントは「どの学校を卒業したか(在学中か)」一点に絞られます。いわゆる学歴フィルターというやつです。これは本来非常に差別的で問題のある行為なのでおおっぴらに「○○大学以上」とはしていませんがフィルターは確実に存在します。
だから新卒者にとって「どの学校を卒業したか」や「新卒であること」は非常に重要になってきます。
しかしいざ学校を卒業して就職してしまうと「どこで働いたか」、「何をしてきたか」が重要になり、学歴の意味がどんどん薄れてきます。
例えば東大を卒業して5年間コンビニでアルバイト生活をしてきた20代後半男性と、高卒で5年間工業関係の会社に勤めた人では後者の方が圧倒的に就職(転職)しやすく、また賃金も高い場合が多いです。
コネ入社は学歴の壁を超えることがある
また、業種や職種にもよりますが社会に出て正社員としてしっかり働けば、引き抜きの話があったりすることもあります。
実際私も高卒で営業をしていた時に病院の副院長から仕事の誘いがありました。
病院の規模はそこそこ大きく事務側とはいえ、私のような高卒の従業員はほとんどいなかったはずです。フリーターでスーパーのバイトをしていた頃には考えられないことですね。
特に法人相手の営業職に就くと会社の社長や役員クラスの人とコネができるので、転職しやすい環境を作ることが出来ます。
一社目は学歴でしかほとんど評価されませんが、2社目、3社目であれば仕事での評価もされます。
そうやって年収を大幅に上げている高卒者も少なくないようです。
高卒フリーターは良い会社に就職できる?
正直なところ、何も戦略を立てずに現状のフリーター生活を続けても、闇雲に就職してどこかで正社員として働いても、まともな収入を得ることは出来ません。
高卒フリーターで将来的にある程度の収入を得るには、何らかのコネがない場合、
- 経験を積んでそれなりの収入が得られる会社で働く
- 歩合制の会社で業績を上げる
- 経験を積んで独立して稼ぐ
の3つしかないと考えます。
1つ目は単純に最終的に良い会社に就職して働くという道。これは上述した通りですぐに達成できるものではありませんが、一番堅実で叶いやすい方法だと思います。
2つ目は自動車や住宅、保険の営業マンとして働いて業績を上げるというもの。
ゴリゴリの営業職は学歴よりも圧倒的に業績が大事で、最低限の常識があれば中卒で入社して高学歴の大卒者よりも収入を得ることが可能です。
実際に僕の友人にも高卒から転職してハウスメーカーに入社し、20代半ばで年収400万程度になっていました。
※地方の水準としては比較的高い方です。
3つ目は経験を積んで独立して稼ぐというもの。
会社で勤めるとどうしても年収の上限が決まってくるため、平均的に見て同年代の大卒者より収入を得ることが難しいです。
しかし独立してしまえばこれも完全に歩合で収入が決まるため、事業が成功すれば同年代よりも何倍もの収入を得ることが可能です。
この中で僕が推奨するのは①と③の道で、
- 経験を積んでそれなりの収入が得られる会社で働く
- 経験を積んで独立して稼ぐ
という2つの道について解説します。
ちなみに営業力に自信がある人は「歩合制の会社で業績を上げる」という道も良いと思います。住宅営業や車の営業は高卒でも比較的簡単に就職することは可能です。
高卒から一社目で良い会社に入るのは困難
高卒でそれなりの収入が得られる会社に就職する方法ですが、まず最初にお伝えしておきたいのは、
「年収は勤める会社で大半が決まる」
ということです。
どんなに優秀な人でも従業員の平均年収が200万で、そのうち高卒者の最高年収が300万であれば年収は200万、どんなに頑張っても300万円を超えることは出来ません。
高収入の会社員はほぼ漏れなく収入が良い会社に勤めているだけで、決して個人の能力が極めて高いから特別に高い年収をもらっているわけではありません。
東洋経済が毎年まとめている記事によると平均年収が最も高い会社はキーエンスという制御機器のメーカーで、平均年収1861万となっているようです。国内企業とは思えないほどの高年収ですね。
逆に東洋経済のデータベース(約3000社)の中で最も平均年収が低いのはトスネットという宮城県の会社で、253万円となっています。
こういった会社に勤めてしまうとどう頑張っても年収250万(月給20万程度・ボーナスなし)程度で生涯終わってしまいます。
「年収は会社で大半が決まる」
というのはどうしようもない現実で、少しでも高い年収を得たければ良い会社に勤める以外に方法がありません。
ただ、何のスキルも持っておらず、最終学歴が高卒の底辺人材では、高い年収が見込める良い会社に就職するのは非常に困難です。
つまり高卒フリーターが就職しても
「一社目で高収入の会社に入るのは困難である」
ということです。
これは高卒者に限らず、偏差値の高い大学でしっかり勉強してきた人以外の大卒者も同じ頃が言えるでしょう。
いったん就職してスキルアップする
一社目で高収入の会社に入るのは困難ですが、スキルを磨いて仕事ができるようになれば転職によって飛躍的に収入を上げることは可能です。
高卒、未経験から高収入の会社で採用されるのは困難ですが、高卒でも経験者であればそれが可能です。
ただここで重要になるのは、ある程度の収入が見込める職種、業種を選ぶことです。
どんなにスキル、経験を積んでもそもそも業種、職種によっては低収入を余儀なくされる可能性があります。
具体的な例を挙げると、
- 介護職
- 薄利多売の小売、飲食
- 保育士
- 美容師
などです。
これらは業界のいずれも平均年収200~300万と低いため、スキルを磨いて転職しても高収入になることは困難です。独立するしかほぼ道はありません。
逆に、
- エンジニア
- プログラマ
- 建築関連
- 営業職(業種による)
などはいずれも平均年収が400万円前後となっているため、将来的に年収400万円の壁を超えるのは難しくないでしょう。
未経験で受かる仕事でスキルを磨く
営業職はもちろんエンジニアやプログラマは業界全体が人手不足のため、今なら未経験から飛び込むことが可能です。
条件としてはあまりよくない可能性もありますが、就職して働けば確実にスキルアップはできるので、数年スキルを磨いてその後不満があれば更に条件の良い会社に転職すれば良いです。
高卒フリーターがある程度収入の高い会社に就職する方法をまとめると、
- 未経験でも採用される可能性があるIT職や営業職の会社に就職する
- いったん雇ってもらえる会社に就職してスキルを磨く
- 収入面などで不満があればその後更に高収入が見込める会社に就職
というイメージです。
とにかく何も出来ない高卒フリーターが高収入を得るのはかなり無謀なので、少しずつ経験を積んでいくことが重要です。
就職して経験を積んでから独立する
高卒フリーターがある程度の高収入を得る2つ目の方法は独立です。
独立してしまえば学歴は関係ありません。
仕事さえ取れれば、しっかり利益さえ出せば高卒でも中卒でも高収入を得ることが可能です。
ただ当たり前ですがフリーターからいきなり独立して高収入を得ることはほぼ不可能です。
フリーターから徐々に独立する方法もありますが、やはりいったん就職してその経験を活かして独立する方が堅実ですね。
独立しやすい職種に就職してスキルを磨こう
何のスキルも持っていないフリーターが独立しても下手すると1円も収入を得ることができなくなってしまいます。
そこでまず独立しやすい業種、職種に就職してスキルを磨いてから徐々に独立することをおすすめします。
具体的にはやはり、
- 建築関連
- IT関連
- 営業職
です。
まず建築関連は意外と知られていませんが、一人親方と呼ばれるフリーランサーが多数現存しています。
以前僕は電気工事関連の会社に勤めていたわけですが、その際によくフリーランサーの電気工事の方に仕事を発注していました。日当2.5万円、20日間勤務で総支給50万円を支払っていました。
同様にIT業界にも独立してフリーで働く人が多く、フリーランスエンジニアは年収600万~1000万以上を目指せます。
営業職に関しては独立する際にもっとも重要になってくるのが営業なので、そもそも会社で営業ができる人は独立しても生計を立てることが可能です。という意味で独立しやすい職種であると考えています。
僕自身以前は営業職で営業を学んだため、独立後の現在もその時の経験が活きています。
高卒未経験で就職する方法
いずれの場合にしても将来的にある程度豊かになりたければ若いうちにいったん就職してスキル、経験を積んでおくのが良いです。
僕は現在32歳で独立していますが、やはり20代の時に営業として会社に就職したのが良かったと思っています。
いくら人材不足と言っても30歳を超えると未経験の仕事は中々採用してもらえないので、いまのうちにいったん就職を考えましょう。
フリーター専門の人材紹介会社を利用しよう
ただ闇雲に仕事を探しても、
- 高卒はNG
- フリーターはNG
という会社は世の中に少なくないので高卒フリーターの就活は結構大変です。
そこでフリーターを専門とする人材紹介会社の利用をおすすめします。
人材紹介会社は直接面談に行く必要があるので拠点のある都市に住んでいることが条件ですが、20代のフリーターであれば高卒でも問題なく利用できるのでおすすめです。
一般的な求人サイト等では経験者が優遇されるものがほとんどで、フリーターが就職活動で使うのは非効率的です。
ジェイックでは学校を卒業して就職せずにそのまま既卒となってしまった方の就職体験記なども紹介されています。
求人も厳選されていますし、何より職場の情報を得ることが出来るので有利に就職活動が出来ます。
求職者側は無料で利用できるので一度試してみてください。ちなみに20代限定となっています。
専門学校や資格スクールはあまりおすすめできない
高卒でフリーターをやってる人の中には専門学校や資格スクールなどで勉強してから就職した方が良いのでは?と考える人もいると思いますが、これは一部の業種を除いて基本的におすすめ出来ません。
というのも後述する一部の業種を除いてコストに見合う専門学校や資格スクールはなく、時間とお金がもったいないケースが多いからです。
例えば保育士や美容師、介護福祉士なども資格を要し、専門学校などに通う必要があるわけですが、いずれも上述した通りこれらは平均年収がかなり低い分野の仕事です。特別に好きというわけでなければわざわざ専門学校で学ぶ必要はありません。
情報技術(IT)やビジネス専門学校のようなところも検討するに値しません。
これらは資格がなくても就職することができるからです。
お金をだして専門学校で学ぶくらいなら就職してお金をもらいながら学んだ方がずっと良いですよね。
ただしプログラマやSEの入り口としてプログラミングスクールを利用するのはありだと思います。
スクールである程度学んでおけば選べる仕事も増えますし、何よりプログラミングスクールは専門学校ほどお金が掛からないからです。
士業や看護師なら専門学校はあり
専門学校や資格スクールは否定的ですが、士業(社労士や会計士、司法書士など)や看護師であればコスパが良いのでおすすめできます。
これらの仕事はそもそも資格がないと就職出来ないので専門学校に通って資格を取る必要があります。
おおよそいずれも比較的高い年収が期待出来ますし、資格と経験があれば当分仕事にも困らないのでかなりおすすめ。
ただやっぱりお金はかかりますね…
まとめ
上記をまとめると、
- 一社目はフリーター向け紹介会社やハローワークを使っていったん就職
- 一社目で培った経験、スキルを活かして転職して年収を上げる
- 二社目以降は引き抜き、またはスキルが活かせて年収を上げられる
という流れを考慮して就職活動を行うと大卒なみの生涯賃金を得られるでしょう。
高卒者はスタートこそ大卒に比べて不利ですが、大卒者の大半が会社に入ってしまえば大した努力をしないので、逆転することは可能です。
そのためにはまずしっかり経験を積めるように一度正社員として就職しましょう。
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