現在日本には130万人以上のフリーターがいるというデータがありますが、彼らは将来どうなってしまうのでしょうか。
特に高齢化したフリーターは正規雇用で採用されることが難しいため一生定職に就けないのではないかと不安になる人も多いです。
フリーターでも若年層(20代まで)は比較的採用されやすいですが30歳を超えると中々定職に就けずフリーターを続けてしまうため、近年はフリーターの高齢化が問題視されています。
20代後半でフリーターをやっている人はそのまま30過ぎても大丈夫なのか?
30過ぎたフリーターは今後どうなるのか?
各年齢ごとに正社員として働いている人と比較しながら予想してみます。
30歳の正社員とフリーターの違い
30歳だと大学を卒業し新卒で入社した会社を続けている人はおそらく若手から中堅クラスになっている頃です。まだまだ幹部クラス、役員クラスになっている人は少ないですが係長や主任等若手社員を教育する立場になっている人が出てくる頃です。
しかし新卒で22歳から同じ会社に居続けている人ばかりではありません。3年、5年を節目に転職をした人もたくさんいます。
日本の会社は勤続年数で会社の立場が決まることが多いので転職した人は若手社員と同じレベルで働いている可能性が高いです。
30歳 正社員とフリーターの給料の差
収入面では新卒から勤務している社員は年収350~450万位でしょう。もう少しもらっている人もいるかもしれませんしずっと少ない人もいると思います。転職をした場合新入社員とあまり変わらないくらいの収入になっている場合が多いです。
ではフリーターの場合はどうか。
アルバイトやパート、派遣社員等は一般的に年齢や勤続年数による差はほとんどありません。ある程度長く勤めて入れば多少なりとも給料が上がるケースもありますがせいぜい10%~20%。
この時点で新卒から正社員として働いている人ととは大きく差がついてしまっています。
30歳の一般社員(平社員)の平均年収は420万円程度と言われています。
時給で給料をもらっているフリーターが年収420万(月で35万円程度)もらうためには時給1400円で250時間働かなければいけません。
1日8時間で月25日間働いても200時間ですからかなり厳しいですね。
ライフスタイルにも大きな違いがでる
晩婚化しているため30歳までに結婚している男性は少数派です。全体の30%程度というデータもあります。女性はもう少し高いようです。
そのため正社員でもフリーターでも結婚していない人が多くライフスタイルにも大きな違いはないことが多いです。
しかし収入には大きな違いがあるため正社員で働いている人は将来に備えてしっかり貯金をしているけどフリーターは貯金をしていないというような表面に出てこない違いはあります。
30歳で定職に就くことは可能か
転職は30歳までとか35歳を超えると正規雇用が厳しいとか言われることが多いですが何歳までにというのは一概には言えません。
例えば技術職、専門職で同業種なら40歳を過ぎても年齢は全く問題にならないケースも多々あります。
ただ未経験の場合やフリーターから正社員へと就職しようとする場合高齢になればなるほど厳しくなることは間違いありません。
一つのリミットとして30歳とか35歳とか言われていますが実際は30歳を過ぎてしまうと定職に就くのが急激に難しくなります。
何故ならこちらの記事で紹介しているフリーター向け、既卒者向けの人材紹介会社や転職サイトの多くが30歳までの若年層向けサービスであり、それら人材紹介サービスが30歳までとしているということは30歳以上のフリーターの需要がない、仕事がないということを意味しています。
もちろん30歳を過ぎてフリーターから正社員へと昇格した事例はたくさんあります。
しかし30代というだけで圧倒的に不利なので35歳まで大丈夫だとか思わず出来る限り早く定職に就くように努力すべきです。
ジェイックなどの就職支援サービスを活用することをおすすめします。
35歳の正社員とフリーターの違い
新卒で入社した会社に勤務し続けている人は10年以上のキャリアを持ち、役職を持たない一般社員でも責任のある仕事を任される立場になっているでしょう。
転職をした人も新しい職場が板に付いてこれから収入を伸ばしていくところなのかもしれません。
35歳になると正社員と給料の差は大きい
35歳にもなると同じ正社員同士でも差が出てきます。
係長等の役職が付いた人、一般社員のままの人、転職をした人で収入は大きく違います。
係長クラスの平均年収は500~600万程度と言われているので一般社員より100万程度多いです。
転職した人はタイミングにもよりますが一般社員の平均年収(400~500万程度)かやや少ないくらいの収入にはなっているでしょう。
フリーターは年齢や勤続年数で収入が大幅にアップすることはありません。
30歳の頃とほとんど変わっていないでしょう。
ちなみに時給1,500円で8時間、月20日間で月給24万になります。年収にすると288万円です。最低賃金くらいで働いているフリーターは年収200万くらいが妥当ですね。
ライフスタイルの違い
未婚率が増加する中で35歳までに結婚する男性の割合は約半数の50%程度です。
つまり2人に1人は結婚してる計算になります。
自分の周りでもだいたいそれくらいのイメージです。都内だと全体的にもう少し少ない気もしますが。
30代前半までに結婚した人は子どももいるかもしれません。
年収400万程度では生活が苦しいので若い夫婦は共働きの割合が高いです。
定職に就いていながら結婚していない男性は回りから冷やかされたり両親から斡旋があったりして結婚を考えます。近年はお見合いパーティや婚活サイト等を利用する人も多いでしょう。
一方で35歳でフリーターをやっている多くの人は結婚なんて考えてもいないことだと思います。
お互い結婚したいと思えるパートナーがいれば別ですが、そうでない場合は経済面で結婚を考えてくれる女性は少ないです。
スキルがないと定職は絶望的
上述した通り未経験のフリーターが定職に就ける年齢のリミットは30歳までと考えます。それを過ぎると極端に厳しくなります。
しかし35歳まではまだまだ可能性は残されています。
上述したフリーター専門の人材紹介会社も、「35歳までOK」とするサービスが誕生しています。
が、それはあくまでロスタイム。非常に厳しい上にそれを超えると絶望的と言わざるを得ません。
何故ならハローワークの求人でさえ未経験者を採用する際は「若年層キャリア育成のため」等の理由を付けて【35歳迄】と制限されていることが多いからです。
資格がなくても良い、経験がなくても良い、スキルがなくても良い、けどここ(35歳迄)だけは譲れないという企業は多いです。
35歳を過ぎてしまうと普通に就職活動をしてもほぼ受からないので別の方法を探す必要があります。そうなる前に定職に就くことを強くオススメします。
過ぎてしまっている場合は今努めているバイト先で正社員を目指すか知人に紹介してもらうかしましょう。
40歳~50代の正社員とフリーター
40歳以上にもなると新卒から同じ職場で働いている人はベテランと呼ばれます。
しかし新卒から約20年同じ職場で働き続けている人は実は少数派。
何故なら創業から20年以上生存している会社は全体の約半数で、20年、30年も経つと勤務している間に倒産することがよくあるからです。
私自身は勤めた会社が倒産したことはありませんが、取引先が倒産したという話は十数件ありました。
さらに近年は雇用の流動性が上がり転職をする人も増えたように思えます。
正社員と給料の差
40歳以上では役職が付いている人と平社員のままの人とで収入に大きな差があります。
課長、部長クラスの平均年収は800万以上と言われていますが(実際はもっと少ないだろうけど)平社員の場合400~500万程度です。
現在の昇給はレンジシート(レンジ表)と呼ばれる給与査定方式によって決められており、それぞれ職務や役職によって昇給の上限が決まっているので平社員なら上限に達した時点でそれ以上は上がりません。役職に付いた人だけがその上限を突破することが出来ます。
フリーターの場合その上限がとても低いので40歳になっても50歳になっても20代の頃と同じ給料しかもらえません。
ライフスタイルの違い
40歳、50歳になってくると結婚して子どもがいれば中学~高校生以上になっている歳ですね。
課長、部長クラスになっていれば一戸建ての家を建ててそれなりに豊かな生活を送れます。
平社員のままでは決して豊かとは言えないかもしれませんが夫婦共働きでそれなりにゆとりのある生活を送ることが出来るでしょう。
フリーターの場合、結婚していなければ20代の生活となんら変わりはありません。
結婚していれば収入が少ないので生活は苦しいです。子どもがいた場合、私立の学校や大学の学費を払えるような貯蓄を作ることは難しいです。
定職は普通に就活するとほぼ不可能
40過ぎてフリーターのままの人は実は結構多いです。フリーターに関する統計の多くは35歳までしかフリーター扱いしないのであまり目立ったデータはありません(何故なら現在のところフリーターは若者の問題として捉えられているから)。
彼らの多くはきっとそのまま50、60過ぎてもフリーターのままだと思います。
しかし中には定職に就くことが出来た人もいます。私の知人にもいます。
40過ぎで定職に就けた人のパターンには二通りあって一つはバイトやパート先で正規雇用として採用されたパターン、もう一つはコネによる入社です。
特に後者は年齢、職歴関係ないので誰にも可能性があります。
それ以外で例えばハローワークから応募しても正規雇用で採用されることは絶望的だと言えます。
60歳以上、定年後にはどうなるか
会社員は60歳を過ぎて定年を迎えると年金暮らしが始まります。
近年は年金の給付額が減りましたが正社員で定年まで勤め上げた人が退職後もアルバイトという形で働く再雇用制度を利用する人が増えてきました。
年金と再雇用制度がある会社員の老後はかなり安定的であると言えます。
一方その歳までフリーターでいてしまった場合、国民年金を払っている人は年金が給付されますが会社員が加入する厚生年金ほど支払われません。
厚生年金の場合所得によって変わってきますが平均的な所得を35年間支払っていた場合の給付額は年間90万程度となりますが国民年金の場合40年間支払っても最大80万程度となります。
しかし国民年金の支払い額は現在全額支払いで月1万5千円程度で、フリーターの多くは年金を支払っていません。
年金を支払っていない人には当然老後の年金は支給されないので働かなければ収入を得ることが出来ません。
年金を払っていないフリーターは老後最終的にどうなるか?
ですがフリーターという言葉が誕生したのが90年代初頭なのでその頃の若者が今日までずっとフリーターをやっていてもまだ40~50代。若い時からずっとフリーターをやっていて60歳を迎える人はまだほとんどいないんですよね。
なのであくまで予想に過ぎませんがおそらくかなり高齢になっても働くことが出来れば70歳を過ぎても働くことになるんじゃないかと思います。
将来的に老化で働けなくなった時点で退職し生活保護を受給するという人が増加して問題になりそうな予感がします。
20代のうちに定職に就こう
本当のところ将来のことなんてなってみないと分かりません。
どんなに頑張って勉強して良い会社に就職しても将来必ず豊かになれるとは限りませんし、40歳でフリーターやっている人が一発逆転で富裕層なる可能性だってあります。
ただ一つ言えることは、どこかで変えようとしないと見えている将来が待っているというのは間違いありません。
30代で定職で働いている人はもちろん新卒でずっと働いている人もいますが中には過去にニートやフリーターだった人もいます。私もその一人です。
彼らは何もせず定職に就けたわけではなく、どこかで変わるきっかけがあったからこそ今があるわけです。
私は約5年間フリーター生活を送っていましたが結婚を気に本気で就職活動をし正社員として働くことができるようになりました。26歳の頃です。
フリーター経験があっても20代で定職に就くのはそれほど難しいことではありません。
20代なら人材紹介会社を利用しよう
少し前にも触れましたが20代ならフリーター、既卒者を専門に扱う人材紹介会社や転職サイトがあります。
人材紹介会社とは人材を求める企業と仕事を求める求職者をマッチングさせる会社です。
キャリアカウンセラーから面接や応募書類作成のアドバイス等を受けることが出来るので採用率を劇的にアップさせることが出来ます。
詳細は採用率3倍アップも可能?!20代のフリーター、第二新卒者は人材紹介会社を使おうに纏めていますので興味のある方は是非ご一読ください。
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34歳までなら未経験で正社員になれる可能性は高い
フリーターで30歳を超えると定職に就くのが極めて難しいと言われていましたが、若年層の人手不足が相まって、34歳までであれば上述したジェイックを利用することが出来るようになりました。
まだ35歳を迎えていない方は利用することをおすすめします。
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